Runnaway ver.KEY ACT1(改)
     作者:DJ EVO



注意: この物語はフィクションです。
なので、登場人物たちがする行為を真似をして他人に迷惑をかけないようお願い致します。
実際の道路では、道路交通法を守り安全で楽しいカーライフをお楽しみ下さい。
キャラのイメージと車が一致しないかもしれませんが広い心でお読み下さい。



―PROLOGUE―
あれから5年経ち・・・進学、就職、皆それぞれの道を歩いている。
雪が解け、また新しい季節が巡ってきた。
高校を卒業してもあのときの仲間達はほとんど変わらず過ごしていた。
ただ一つの事を除いては変わらずに・・・。
これは、車を愛する者たちの青春を描いたストーリー。
真夜中、たくさんのタイヤのスキール音が、エキゾーストノートが、この「峠」という場所に響いている。
ここに集まる者達は、様々な想いを胸に秘めている。
ただスピードを追い求めるもの。
自分の限界を探しているもの。
操る楽しさ、走る楽しさを求めるもの。
走るという事で自分の居場所を見出すもの。
新しい刺激を求めるもの、たくさんの想いがここにはある。
今日も走る事に魅せられた者達が集まる・・・。


ACT.1

今夜も峠に集まった走り屋達。各々が何気ない会話に花を咲かせている。


「この間さ、アジカンのライブ行ったんだけど、スゲ―良かったぜ!!もぉ最高!!!」
「いいなぁ…。チケット取れなかったんだよ。今度あるELLEGARDENのライブはぜってー行っ
てやる!」
「ああ、あれならもう売り切れらしいよ。」
「……。マジですか!?」


「最近できたカフェにさぁ〜超甘いワッフルあるの分かる?」
「あーそれ知ってる!知ってる!ものすっごく甘いらしいわよ。一体誰が作ってるのかしらねぇ。」
「先輩知らないんですか?あそこの店員さんで黄色の長い髪で三つ編みしてる人いるじゃな
いですか?その人が考えたって話ですよ。で、その人はめっちゃ甘党らしいなんですって。」
「どんだけ甘党なのよ。てか、よくそんなもん売るの許したわねぇ…。」


「今年のD1は誰が優勝すんのかなあ?」
「風間じゃねえか?でも、末永と川畑もいい感じだし、のむけんもそろそろ優勝してもいいと
思うけど。」
「あたしは、絶対に谷口クンだと思うよ!」
「いやぁ、今村だろ!あとはそうだなぁ、ドリフト侍とか熊久保も結構いい所イクんじゃない?」



「そういや今、誰バトってんの?」
「ん?ああ、相沢だよ。他所から来たエボZと走ってるぜ。」
「今日は、エボZとかぁ。さすがにキツイだろ。勝てんか?」
「うんにゃ、相沢のヤツなら大丈夫じゃねぇ?」
「そうだな。あいつの下りは速えからな〜。」
「下りだったら、なゆちゃんの180SXも速いじゃない。」
「あの子は、裏コースの方だな。表コースは、相沢がの方が速えぞ。」
「おい、そう言ってる間にもうそこまで来てるぞ。」


二つのヘッドライトの光が絡み合いながら、タイヤのスキール音とエキゾーストノートを響かせながら降りてくる。
先行するのは黒の三菱CP9AランサーエボリューションZ
それを追うのはブルーメタリックのスバルGC8インプレッサ。
2台はほとんど差がないままもつれあっている。



「しつけんだよ!もう諦めな!!」

エボのドライバーが凄い剣幕で叫んだ。
終始テールをつつかれて走ってきたためにかなりいらだっている。
何よりインプレッサに追われていることもあるのか、その事が一層彼をいらだたせている。

「そろそろだな…。」

インプレッサのドライバー・相沢祐一が落ち着いた声でささやいた。
前を走るエボが明らかに焦っている事は目に見えている。
そして、このコース最後の緩やかな長く続く高速コーナーでタイヤが悲鳴を上げながら曲がっていくエボの横を、
鮮やかにインプレッサがかわしていく…。
近くのギャラリーが口をそろえてスッゲーと驚き叫んでいる。

「くそったれがー!!」

エボのドライバーがハンドルに手を叩きつけた。
そのままの状態でゴールラインを先に切り勝負に勝ったのはインプレッサであったのは言うまでも無い。
祐一は麓の駐車場でUターンをし、さきほど走ってきた道を登っていった。







「名雪、待ちくたびれているかな…。」

十数分後、頂上の駐車場に着き、名雪の車を見つけ隣に車を停めて、窓をコンコンと軽く叩いた。

「お―い、起きろ。迎えにきたぞ。」

それに気付いた名雪はこちら側を少し不機嫌そうに見ている。ドアを開けて降りてきた。
青の長い髪の女性・水瀬名雪。
車はメタリックブルーにオールペイントされた日産RPS 180SX
見た目は、車高短でチルトのサンルーフがついており、どこにでもいるドリフト仕様といった感じ。
ロールゲージが入ってはいるが、あえてリアシートは残してあるのは拘りなのかどうかは分からない…。
ちなみに車の管理は秋子さんが全てしている…。
一体この車はどこから出てきたのだろうか?

考え出したらキリがないのでやめておこう…。



「遅いよ、祐一。罰としてイチゴサンデー1週間おごりね♪」 

とても無邪気な笑顔で言ってくる。

「うっ…。頼む、それだけは勘弁してくれ!」

祐一は本当に嫌そうな顔になり、手を合わせて深々と頭を下げた。

車はスバルGC8インプレッサ WRX TYPE-R。
名雪と同じくブルーに塗られてある。 
なんの変哲もないインプレッサに見えるが、ここの峠では名の知れた車。

「なんてウソだよー、冗談だよ。それで今日もちゃんと勝てたの?」
「なんとかな。上りだったら負けてたかもしれね―な。」
「まぁ、勝ったんだからいいんじゃない?」
「ああ、そうだな…。上りも速くなりてーな。」

ちなみにここの峠には表コースと裏コースがあり、表はきちんと整備され、ギャラリーもしやすいこと。
交通の便が良い事で平日でもたくさん集まる。
対しては裏は本当の意味での峠である。
旧道で表が開通する前までは多く走っていたが、ほとんどの者は表に移ってしまい、今では一部の者達のみが走るだけだ。


そうしているうちに下の方から聞きなれたエキゾーストノートが聞こえてきた。やがて、
その音は頂上に近づいてくる。それも二つである。
それに気付いた祐一は驚いた顔で言った。

「ん?この音。しかも二つって事はあいつらか?」
「うん…。多分、あの人達だよ。」

名雪も驚きを隠せずにいる。

果たしてあの人達とは?


続く




あとがき
第一話があまりにも読みにくいという事で大改修いたしました。ホントにすんませんでした
m(_ _)m